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血液学の最新論文(2025年7月〜9月分) すべて見る

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学会レポートCongress Report
全ゲノム解析から明らかになった小児急性骨髄性白血病の新規ドライバー遺伝子候補EHA2025レポート⑨ 日本からの演題全ゲノム解析から明らかになった小児急性骨髄性白血病の新規ドライバー遺伝子候補三村海渡(国立がん研究センター研究所 がん進展研究分野)2025.10.16急性骨髄性白血病(AML)では、ゲノム異常の解明により分子生物学的理解が深まり、分子機序に基づく適切な分子診断、治療法の決定や予後予測に基づいたリスク層別化が可能になってきている。成人AMLとは異なる特徴を持つとされる小児AMLについても、ゲノム異常の全容を理解することで、予後の改善や新たな治療開発につながることが期待される。
血液学の最新論文New Reports On Hematology
2025年7月〜9月分を掲載しました2025年7月〜9月分を掲載しました2025.10.16
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
MRDの臨床的意義の進展 治療中止の判断指標としての可能性と末梢血による低侵襲評価の展望特集多発性骨髄腫の最新動向(4)多発性骨髄腫の診療は、近年新たな局面を迎えている。プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の普及により予後は改善し、初発例では4剤併用療法が、再発・難治例ではCAR-T細胞療法や二重特異性抗体が実臨床に導入されつつある。さらに、ゲノム解析や微小残存病変(MRD)の高感度評価技術の進歩により、治療効果を正確に把握し個別化医療へ近づいている。本特集では、これらの最新動向を包括的に取り上げた。(責任編集 柴山浩彦)MRDの臨床的意義の進展 治療中止の判断指標としての可能性と末梢血による低侵襲評価の展望髙松博幸(金沢大学附属病院 血液内科/融合研究域融合科学系)2025.10.09多発性骨髄腫(MM)は、新規薬剤の相次ぐ導入により治療成績が大きく向上しており、完全奏効症例のさらなる層別化が求められている。その中で、微小残存病変(MRD)は、予後予測に有用なサロゲートマーカーとして、臨床現場でも活用が進んでいる。本稿では、骨髄を用いたMRD評価法の進展に加え、末梢血細胞および血清による低侵襲なMRD評価の技術的進歩、さらにはMRDに基づく治療選択の可能性について概説し、MRDの新たな臨床的意義を展望する。
学会レポートCongress Report
遺伝子解析から解明されつつあるATLL発症機構EHA2025レポート⑧ EHA-JSH Joint Symposium: Genomics of lymphoma遺伝子解析から解明されつつあるATLL発症機構木暮泰寛(国立がん研究センター研究所 分子腫瘍学分野)2025.10.09成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって引き起こされる末梢性T細胞腫瘍である。世界に推定1,000万人のHTLV-1キャリアが存在し、日本をはじめ、中南米、中央アフリカ、中東、中央オーストラリア、そしてルーマニアが流行地域として知られている。それらに加え、フランスや英国でも、流行地域出身者によるATLLの発症が報告されている。
この論文に注目!Focus On
2025年10月の注目論文(Vol. 1)2025年10月の注目論文(Vol. 1)伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科 科長)2025.10.09血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2025年10月分(Vol. 1)は、伊豆津宏二氏が担当します。
学会レポートCongress Report
第87回日本血液学会学術集会のみどころ 新たな出会いと交流のつながりに期待第87回日本血液学会学術集会のみどころ 新たな出会いと交流のつながりに期待2025.10.02第87回日本血液学会学術集会が、2025年10月10〜12日の3日間、神戸国際会議場や神戸国際展示場(神戸市)などを会場に開催される。学会の規模拡大や日程の調整を踏まえ、神戸での開催が決定した。会長を務める名古屋大学の清井仁氏に、学術集会のみどころをうかがった。
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
再発・難治性MMにおける免疫療法 CAR-T細胞療法と二重特異性抗体特集多発性骨髄腫の最新動向(3)多発性骨髄腫の診療は、近年新たな局面を迎えている。プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の普及により予後は改善し、初発例では4剤併用療法が、再発・難治例ではCAR-T細胞療法や二重特異性抗体が実臨床に導入されつつある。さらに、ゲノム解析や微小残存病変(MRD)の高感度評価技術の進歩により、治療効果を正確に把握し個別化医療へ近づいている。本特集では、これらの最新動向を包括的に取り上げた。(責任編集 柴山浩彦)再発・難治性MMにおける免疫療法 CAR-T細胞療法と二重特異性抗体石田禎夫(日本赤十字社医療センター 血液内科)2025.10.02多発性骨髄腫(MM)は治療により奏効が得られても再発を繰り返す、血液疾患の中でも難治性が高い疾患である。一方、MMに対する新薬の開発は目覚ましく、2006年にボルテゾミブが承認されてからプロテアソーム阻害薬(PI)、免疫調節薬(IMiDs)、モノクローナル抗体などが次から次へと開発され、合計10種類の新薬が使用可能となった。しかし、仮に3剤併用療法を2~3レジメン使用してしまった場合は、多くの薬剤に耐性になり、有効な治療選択肢が限られてしまうのが現実である。このような患者に対する治療薬の開発が急務であった。2022年以降、待ち望んでいたキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法や二重特異性抗体療法が承認され、多くの患者に投与されている。本稿ではCAR-T細胞療法と二重特異性抗体に関して解説する。
血液学の最新論文New Reports On Hematology
2025年6月後半〜9月前半分を掲載しました2025年6月後半〜9月前半分を掲載しました2025.10.02
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
4剤併用療法が拓く未治療MM治療の新展開 治療選択肢の拡大と課題への対応特集多発性骨髄腫の最新動向(2)多発性骨髄腫の診療は、近年新たな局面を迎えている。プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の普及により予後は改善し、初発例では4剤併用療法が、再発・難治例ではCAR-T細胞療法や二重特異性抗体が実臨床に導入されつつある。さらに、ゲノム解析や微小残存病変(MRD)の高感度評価技術の進歩により、治療効果を正確に把握し個別化医療へ近づいている。本特集では、これらの最新動向を包括的に取り上げた。(責任編集 柴山浩彦)4剤併用療法が拓く未治療MM治療の新展開 治療選択肢の拡大と課題への対応鈴木一史(東京慈恵会医科大学 腫瘍・血液内科)2025.09.25多発性骨髄腫(MM)の生命予後は、2006年のボルテゾミブの登場以降、多くの新規薬剤の開発により、大きく改善した。一方、20世紀に開発された自家造血幹細胞移植(ASCT)は現在も初発多発性骨髄腫(NDMM)の標準治療であり、治療方針は移植適応か非適応かで大別される。近年は、NDMMに対する新規薬剤の併用療法の有効性の検証が進み、実臨床における治療選択肢はさらに拡大しつつある。ここではNDMMに対する4剤併用の有用性を中心に概説する。
学会レポートCongress Report
再発・難治性DLBCLに対するポラツズマブ ベドチン+R-GemOx併用療法、OSを延長EHA2025レポート⑦ 注目演題再発・難治性DLBCLに対するポラツズマブ ベドチン+R-GemOx併用療法、OSを延長Matthew Matasar(Rutgers Cancer Institute, New Brunswick, USA)2025.09.25自家造血幹細胞移植(ASCT)で1ライン以上の前治療を有する再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対して、抗CD79b抗体薬物複合体ポラツズマブ ベドチンをリツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン(R-GemOx)に追加することで、有意に全生存期間(OS)を延長したことが無作為化第Ⅲ相試験のPOLARGO試験(NCT04182204)で明らかになった。
血液学の最新論文New Reports On Hematology
2025年6月〜8月分を掲載しました2025年6月〜8月分を掲載しました2025.09.25
学会カレンダーCongress Calendar
2025年9月〜2026年2月開催分を掲載しました2025年9月〜2026年2月開催分を掲載しました2025.09.25
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
MM診療におけるゲノム情報の有用性 遺伝子変異を基盤とした診断・予後予測と研究の広がり特集多発性骨髄腫の最新動向(1)多発性骨髄腫の診療は、近年新たな局面を迎えている。プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の普及により予後は改善し、初発例では4剤併用療法が、再発・難治例ではCAR-T細胞療法や二重特異性抗体が実臨床に導入されつつある。さらに、ゲノム解析や微小残存病変(MRD)の高感度評価技術の進歩により、治療効果を正確に把握し個別化医療へ近づいている。本特集では、これらの最新動向を包括的に取り上げた。(責任編集 柴山浩彦)MM診療におけるゲノム情報の有用性 遺伝子変異を基盤とした診断・予後予測と研究の広がり李政樹(名古屋市立大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学)2025.09.18多発性骨髄腫(MM)では、FISH法による染色体異常の検出を中心とした診断基準が確立されており、また同種造血幹細胞移植は標準治療に位置づけられていないことから、これまでゲノム情報全般の臨床的有用性は限定的とされてきた。一方で、高リスク染色体異常や遺伝子変異に基づく「予後予測」の重要性は年々高まっており、特に難治例における薬剤選択の指標としても注目されている。ここでは、MMにおける遺伝子パネル検査によって得られるゲノム情報の有用性について、「診断」「予後予測」「治療薬選択」の3つの観点から現状を整理し、将来的な活用の展望を示す。
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
多発性骨髄腫の最新動向 ゲノム解析・新規治療・MRD評価の進歩特集多発性骨髄腫の最新動向 ゲノム解析・新規治療・MRD評価の進歩責任編集:柴山浩彦(国立病院機構 大阪医療センター 血液内科科長/輸血療法部長)2025.09.18多発性骨髄腫の診療は、近年新たな局面を迎えている。プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の普及により予後は改善し、初発例では4剤併用療法が、再発・難治例ではCAR-T細胞療法や二重特異性抗体が実臨床に導入されつつある。さらに、ゲノム解析や微小残存病変(MRD)の高感度評価技術の進歩により、治療効果を正確に把握し個別化医療へ近づいている。本特集では、これらの最新動向を包括的に取り上げた。
学会レポートCongress Report
再発・難治性多発性骨髄腫に新たな三重特異性抗体―第Ⅰ相試験中間報告EHA2025レポート⑥ 注目演題再発・難治性多発性骨髄腫に新たな三重特異性抗体―第Ⅰ相試験中間報告Rakesh Popat(National Institute for Health Research University College London Hospitals NHS Foundation Trust, United Kingdom)2025.09.18再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対してBCMA、GPRC5D、CD3を標的とする三重特異性抗体であるJNJ-79635322(JNJ-5322)は良好な安全性と有望な抗腫瘍効果を示すことが、第Ⅰ相試験の初回報告で明らかとなった。