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特集造血器腫瘍ゲノム医療(1)2024年3月に造血器腫瘍遺伝子パネル検査が承認申請され、臨床実装に向けた準備が進んでいる。わが国で独自に開発された遺伝子パネルであり、承認されれば多くの造血器腫瘍の診断や予後予測、治療法の選択に活用されることが期待されている。
ここでは、わが国独自の造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に至る経緯と社会実装に向けた課題、ゲノムプロファイリングの有用性と臨床応用における課題、そして生殖細胞系列バリアントの検出とそのフォローという、造血器腫瘍遺伝子パネル検査に関わる3つの重要なテーマを取り上げ、それぞれの専門家に解説いただいた。
(責任編集 坂田(柳元)麻実子)

わが国独自の遺伝子パネル検査を開発
多くの医師・研究者の協力のもとに作り上げる

片岡圭亮(慶應義塾大学 医学部 血液内科・国立がん研究センター研究所 分子腫瘍学分野)

2024年3月29日、造血器腫瘍遺伝子パネル検査が承認申請された。これは、国立がん研究センターと大塚製薬を中心とする5団体のコンソーシアムにより開発されているわが国独自の遺伝子パネル検査で、検査結果に基づいて多くの造血器腫瘍の診断、予後予測、治療法選択が可能になることが期待される。ここでは、造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に至る経緯と、今後の社会実装に向けた課題などについて述べる。