2021年12月の注目論文(Vol. 1)
柴山浩彦(国立病院機構 大阪医療センター 血液内科 科長)
2021.12.02
血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年12月分(Vol. 1)は、柴山浩彦氏が担当します。
Lancet Oncol. 2021 Oct 13:S1470-2045(21)00466-6. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00466-6. Online ahead of print.
Facon T, Kumar SK, Plesner T, Orlowski RZ, Moreau P, Bahlis N, Basu S, Nahi H, Hulin C, Quach H, Goldschmidt H, O'Dwyer M, Perrot A, Venner CP, Weisel K, Mace JR, Raje N, Tiab M, Macro M, Frenzel L, Leleu X, Ahmadi T, Wang J, Van Rampelbergh R, Uhlar CM, Tromp B, Delioukina M, Vermeulen J, Usmani SZ.
ここに注目!
移植非適応の初発MM患者に対するダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン併用(Dara-Rd)療法とRd療法を前向きに比較したMAIA試験の長期フォローアップ(中央値:56.2カ月)の結果が報告されている。PFSのみならず、OSにおいてもDara-Rd療法が有意に優れていた(PFS中央値: Dara-Rd, 未達; Rd, 34.4カ月(HR: 0.53, p<0.0001)、OS中央値: どちらも未達(HR: 0.68, p=0.0013))。Dara-Rd群では、CR以上の奏効を51%の患者が得られている。また、Rd群でPDとなった患者の46%が、Daraを含んだ治療を受けていた。ただし、本試験にエントリー可能なのは、クレアチニンクリアランス(Ccr)が30mL/min以上であった。これらの結果から、移植非適応の初発MM患者においては、腎機能がある程度保たれている場合、Dara-Rd療法を標準療法として選択すべきと言える。