2025年4月の注目論文(Vol. 1)
木崎昌弘(埼玉医科大学 名誉教授/よみうりランド慶友病院 副院長)
2025.04.03
血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2025年4月分(Vol. 1)は、木崎昌弘氏が担当します。
Targeted interferon therapy with modakafusp alfa for relapsed or refractory multiple myeloma
Blood. 2024 Dec 4:blood.2024026124. doi: 10.1182/blood.2024026124. Online ahead of print.
Vogl DT, Atrash S, Holstein SA, Nadeem O, Benson DM Jr, Chaudhry M, Biran N, Suryanarayan K, Li C, Liu Y, Collins SC, Parot X, Kaufman JL.
ここに注目!
Modakafusp alfaは、ヒト化抗CD38 IgG4モノクローナル抗体とそのFc部分に融合された2つの活性減弱IFNα-2b分子からなり、CD38を発現する骨髄腫細胞と免疫細胞双方にインターフェロンシグナルを誘導することのできる新しいサイトカインである。したがって、modakafusp alfaは骨髄腫細胞に直接的な抗腫瘍効果を示すのみならず、CD38を発現するNK細胞やCD8 T細胞を活性化することで細胞障害活性を示すとされている。しかも、現在使用されている既存の抗CD38抗体とは異なるエピトープに結合するために、多くの再発・難治性多発性骨髄腫に対する効果が期待される。本論文は、このように興味深い新規治療薬modakafusp alfaの第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果である。対象症例は、前治療歴中央値6.5ラインで、84%がプロテアソーム阻害薬(PI)、免疫調整薬(IMiDs)、抗CD38抗体に抵抗性という極めて難治な症例を対象としている。106例がエントリーされ、4週間隔で1.5mg/kg用量で行った30例の全奏効率(ORR)43.3%、無増悪生存期間(PFS)中央値5.7カ月であり、Grade 3以上の有害事象は好中球減少と血小板減少であり、27%に何らかの感染症が認められた。早期臨床試験の結果ではあるが、modakafusp alfaは既存の抗CD38抗体や抗BCMA療法など治療歴の多い難治例にも一定の効果が期待され、適正な治療スケジュールの確立や効果的な併用療法の開発が望まれる。Modakafusp alfaは免疫細胞療法を基盤とした新たな骨髄腫治療薬として今後が注目される。