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特集自己免疫性血液疾患(3)自己免疫性血液疾患は、自己抗体や免疫細胞、補体などが血球や凝固因子に作用し、血小板減少、溶血性貧血、血栓症、出血傾向など多様な病態を来す疾患群である。近年は病態理解の進展を背景に、診療ガイド/参照ガイドの改訂や新規薬剤の登場により、診断・治療の考え方も変化している。ここでは、TTP、AIHA、ITP、AHAの4疾患を取り上げ、診断・治療の整理と治療戦略の変化について、それぞれの領域の専門家に解説いただいた。(責任編集:張替秀郎)

免疫性血小板減少症(ITP)診療の新展開
診断参照ガイドと新規薬剤を踏まえた診療の要点

加藤恒(大阪大学医学部附属病院 輸血・細胞療法部)

免疫性血小板減少症(ITP)は、免疫学的機序により血小板破壊亢進や血小板産生低下をきたす自己免疫性疾患である。皮下出血や粘膜出血を契機に診断される一方、無症状で血小板減少を指摘される例も少なくない。診断は現在も除外診断を基本とするが、2023年版診断参照ガイドでは血漿トロンボポエチン(TPO)濃度や幼若血小板比率を取り入れた診断基準が示され、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などとの鑑別が進めやすくなることが期待される。治療では近年、TPO受容体作動薬に加え、Syk阻害薬、FcRn阻害薬など作用機序の異なる薬剤が登場し、開発中の薬剤も含めて治療選択肢が広がりつつある。本稿では、ITPの疾患概念、診断基準の変化、新規薬剤を含む治療の要点を概説する。