2026年8月の注目論文(Vol. 2)
木崎昌弘(埼玉医科大学 名誉教授/よみうりランド慶友病院 副院長)
2026.08.27
血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2026年8月の注目論文(Vol. 2)は、木崎昌弘氏が担当します。
Continuous or Fixed-Duration Maintenance Therapy in Multiple Myeloma
N Engl J Med. 2026 Jul 16;395(3):221-232. doi: 10.1056/NEJMoa2600157.
Shaji Kumar, Susanna Jacobus, Adam Cohen, Matthias Weiss, Natalie Callander, Avina Singh, Terri Parker, Michael Green, Raymond Thertulien, Benjamin Parsons, Pankaj Kumar, Prashant Kapoor, Aaron Rosenberg, Elie Dib, Daniel Almquist, Jeffrey Zonder, Edward Faber, Zihan Wei, Kenneth Anderson, Sagar Lonial, Paul Richardson, Robert Orlowski, Lynne Wagner, S Vincent Rajkumar
ここに注目!
多発性骨髄腫における維持療法は、病勢が増悪するまでレナリドミドを継続することが推奨されているものの、どの程度の期間継続するのが適切かは明らかでない。本研究は、標準リスクでup-frontの移植をしない未治療例に対し、寛解導入療法後にレナリドミドによる維持療法継続群と2年間の維持療法固定群をランダム化した第Ⅲ相試験である。516例が登録され、寛解導入療法としてKRd療法とVRd療法に1:1にランダム化され、さらに維持療法としてレナリドミド継続群と2年間の固定群に2回目のランダム化がなされた。
主要評価項目の7年OSは、継続群68.6%、固定群69.0%、7年PFSは各々36.1%と29.7%、2次原発がん発症は11.2%と8.3%と、どの指標も有意な差は認めなかった。
本研究の結果より、治療継続することによる有害事象の増加、コストの増加などを考慮すると2年間の維持療法はapproveされるであろうが、著者らは本研究に登録された症例は、4剤併用療法やフロントラインでの移植例が含まれていないことから、結論を一般化することについては慎重な論調である。現在は、CAR-T療法や二重特異性抗体がより使いやすくなってきたので、2年間で維持療法を中止しても、新たな治療選択肢が残されていることを考えると、一定の理解は得られる結果かと思われる。