2026年5月の注目論文(Vol. 2)
加藤元博(東京大学大学院 医学系研究科 小児医学講座 小児科学分野 教授)
2026.05.28
血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2026年5月分(Vol. 2)は、加藤元博氏が担当します。
Optimizing Haploidentical Donor Selection for Pediatric Hematopoietic Cell Transplant.
J Clin Oncol. 2026 April 10; 44(11):1003-1015. doi: 10.1200/JCO-25-01591
Liberio N, Allbee-Johnson M, Ahn KW, Moskop A, Phelan R, Shaw BE, Page KM, Schultz KR, Phillips CL, Mehta PA, Qayed M, Sharma A, Lipsitt AE, Symons H, Bolanos-Meade J, Kharbanda S, Dvorak CC, Kapoor N, Doherty EE, Chavan RS, Broglie L
ここに注目!
スタン移植後シクロフォスファミド(PTCy)を中心としたGVHD対策の進歩により、HLA不一致血縁ドナー(ハプロ一致ドナー)からの移植が増えている。CIBMTRのデータベースを用いて、ハプロ一致ドナーから移植を受けた19歳未満の小児1,069例(対象の約6割がPTCy)について、ドナー選択とGVHD発症率の関係に焦点を置いて解析がなされた。GVHD発症率が低い順に、きょうだい⇒父親⇒母親、であった。また、ドナー年齢もGVHD発症率と相関し、若いドナーからの移植ほどGVHDが少ないことが示された。特に小児では、移植後の期間が長いため、慢性GVHDのリスクを減らした移植が望ましい。ドナー選択はさまざまな要素が影響するため、この情報を参考にしつつ、移植ごとに最適なドナー(とGVHD対策)を選ぶ必要がある。