血液専門医と医療関係者のための情報サイト「ヘマトパセオ」

この論文に注目!Focus On

2026年10月の注目論文(Vol. 2)

加藤元博(東京大学大学院 医学系研究科 小児医学講座 小児科学分野 教授)

血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2026年10月分(Vol. 2)は、加藤元博氏が担当します。

AAML1831: A Phase III Trial Comparing Standard Induction Therapy With CPX-351 in De Novo Pediatric AML: A Report From the Children’s Oncology Group.

J Clin Oncol. 2026 September 20; 44(27):2590-2601. doi: 10.1200/JCO-25-02979

Pollard JA, Alonzo TA, Gerbing RB, Kutny M, Hirsch B, Raca G, Leger K, Wilkes J, Pabari R, Wadhwa A, Graff Z, Kahwash S, Chisholm K, Chewning J, Horan J, Aplenc R, Place A, Tasian SK, Tarlock K, Menig S, Militano O, Ky B, Hudson C, Loken MR, Menssen A, Brodersen LE, Meshinchi S, Kolb EA, Cooper TM

ここに注目!

米国COGによる小児・若年成人AMLに対する第III相試験AAML1831の結果です。DNR+AraCにゲムツズマブ オゾガマイシン(GO)を加えた治療を標準治療とし、それに対してDNRとAraCをリポソームに封入した製剤CPX-351とGOによる治療をランダム化比較しています。

CPX-351は成人AML、特に治療関連AMLなどに対して効果が示されている薬剤であり優越性が期待されましたが、中間解析で2年無イベント生存率は標準治療群 62.2%、試験治療群51.2%となり、残念ながら治療成績の改善には結びつきませんでした。特に、再発リスクが相対的に低い群では、標準治療群で再発が少ない結果となっています。一方で、高リスク群では成績に大きな差はありませんでした。

つまり、CPX-351は高リスクAMLに対しては選択肢になりえるものの、既存の標準治療で一定の成績が達成できているAMLにそのまま広げることは難しいことが分かります。Negative studyではあるものの、標準治療のさらなる精密化を通じて全体の治療成績の向上につながる重要な臨床試験の結果です。